【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

こんな、非常識なところで、俺は、不覚にも、キスをしている。



しかも、俺が愛している大切な人を甘くとろけさせる、なんて理想的なシチュエーションとは真逆のキスを。



ネクタイを引っ張られ、無理矢理宛がわれた熱く柔らかい唇。ガチガチとぶつかる歯が、そのキスの生々しさを物語る。



いつの間にかそれは終わり、とっくの昔に解放されたのに、俺の意識はほう、と宙に浮いていた。



「んー…見栄を張ったわけじゃないのね。楓ちゃん、あまり性欲のバロメータは高くないようだし。」



どうやら、このジンガイはキスでそんなものも計れるらしい。