【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

愛する人のその首を飛ばした瞬間、伊佐木には疑問に似た憎悪が溢れた。



伊佐木は人間だったら有り得ないスピードで、落ちる前に彼女の首をキャッチする。



「ギェエエェ…!」



声にならない声を上げる彼女の生首。恐らく、『アレグリア』の支配から解けかけているのだろう。



やがて、その声も止み、美しかった彼女の顔が歪み、血の涙を流していた。



伊佐木のなんとも言えない苦しい感情が流れてくる。



その苦しい感情をぶつけるように、伊佐木は首を握っていない方の手を翳し、風を起こした。



すると、風が町中を駆け巡り、青い薔薇が町中を包む。



伊佐木は彼女との約束を二つ守った。これが、彼女へのせめてもの餞なのだろう。