目を開くと、幼い頃のヒノエさんとキズキが楽しそうに戦っていた。
「ここ…は?」
「記憶の中です。キズキの。」
俺の隣にはヒノエさんがいて、俺達の手は強く握られている。
そうしていることで、ヒノエさんの意識を記憶の中へ留めることが出来るんだ。
キズキの記憶は、二人の鍛練の帰りの、あの父親と母親の会話のところへ差し掛かる。
『キズキ!』
記憶の中のヒノエさんのまだ幼い声が、飛び出すキズキに叫ぶ。
隣のヒノエさんは、それを見てくしゃりと顔を歪める。
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