俺は記憶へと飛びそうになる中思う。



ヒノエさんにも、キズキの過去を見せたい、と。



「ヒノエ…さんっ!」



俺は走り、ヒノエさんの手を取る。



どうやったら記憶を見せてあげれるか、方法なんて頭では分からないけれど



身体が本能的に動き、ヒノエさんの腕を引いていた。



「楓ちゃ…………!」



そして、傷だらけの、血まみれのヒノエさんの唇と、自分の唇を強く合わせる。



そこで俺の意識は飛び、キズキの隠された過去へと誘われた。