俺が会社の前につくと、そこはもう、野次馬と警察によってかなり混んでいた。



「村瀬君!こっち!」



会社に眼鏡をなくし、会社に忘れたかと思い早く来ていた長谷部君は、どうやら第一発見者らしく、かなり近くにいる。



「佐山部長は連絡取れた?俺が連絡しても出なくて。村瀬君、甥っ子なんだろ?」



「…ああ。部長、おたふく風邪で出てこれないらしいんだ。」



こんなとき、アドリブが利かない自分に頭を抱えたくなるが、ここはばれないようにすまし顔をする。



長谷部君も特に疑う感じはなく、話を続けた。