「……もしもし。こんな朝から、どうか、した?」



『どうもこうも、ヤバいんだよ………!実は……………っ!』



長谷部君の声が、ものすごく遠くに聞こえる。



何?ヒノエさんがいなくなって混乱しているのに、意味が分からない。



「とにかく、今から俺も会社に向かうから!」



電話を切って俺は急いで支度して、家を出る。



『会社の前で…うちの経理の新人の子が、殺されてんだよ!』



この事件が、俺を最後の戦いへ誘う招待状になることになろうとは、思ってもいなかった。