【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

暗い部屋で、頼りになるのは月明かりのみ。



青白いその月光が、ヒノエさんの美しい身体を妖艶に映す。



「綺麗だ…ヒノエさん。」



その青白い身体に、俺は証を残していくように、赤い花びらを散らしていく。



きっと、この夜のことを俺は忘れない。



美しいヒノエさんの身体も、俺のことを『楓ちゃん』って呼ぶ、その声も、しがみつく温かな腕の温度も、全部全部、記憶に刻み付けるよ。



繋がった時、白の世界へ導かれながら見たのは



最初で最後の、美しい人の頬を伝う、透明な涙だった………。