最近この調子でヒノエさんは集中力に欠けていることが多い。



顔は平然を装っていて澄ましたもんだけど、格好がついてない。



「ヒノエさん…。」



「何よ。私だって疲れるのよ。はあ、することがなくなるくらい休みたいわー。」



うーんと背伸びをし、ヒノエさんは俺と目線を合わせることもなく仕事に戻った。



…上手くごまかされた気がするんだが。



「早く仕事に戻りなさい。人のこと考えてるほど優秀な社員じゃないでしょ。」



そう言われてしまうとしょうがない。



俺は強がりなヒノエさんが、どうすれば素直になるか考えながら、自分のデスクへ戻った。