俺は提出する書類を出しにヒノエさんのところへ行く。



そして、誰にも聞こえないように、そっとヒノエさんに言った。



「ヒノエさん…人間になりきれてません。」



「!?……げっ。」



ヒノエさんは俺に言われて色んなところを確認し、顔が青ざめる。



今日のヒノエさんは、左手が若干狼のままで、爪がゴツゴツし、微妙に茶色の毛も生えている。



ヒノエさんは慌てて一瞬それを隠し、次に手を離すとそこには細く白い手が現れた。