【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

そして、死の香りと共にクロエは感じていた。



この人間の死は、人間の魂を奪うことの許可を得ていない悪魔の仕業である、と。



魂の痕跡がないのだ。人間の体はまさしくもぬけの殻。



クロエは嫌な予感で体中に汗をかいていた。



これは偶然ではない。きっと、この悪魔が探しているのは自分である、と思った。



異次元を操ることの出来る自分を妬む悪魔は少なくない。



せっかく根絶やしにしたと思っていた者が人間界に逃げている、とどこかで知ったのだろう。



これは自分へ、自分を狙う存在が近くにいるということを示しているとクロエは受け取った。