俺は、見様見真似でそれをゆっくりと口ずさんだ。



すると、クロエの様子が変わる。



「止めろ……!耳障りだぞ!人間!」



止めに入ろうとするクロエを、ヒノエさんが攻撃で止める。



俺は、クロエから発された一瞬の憎しみと悲しみを捕捉する。



「捕らえた!」



俺はそれを見失わぬよう、神経を一点に向ける。



「上手く隠してたみたいだけど、どんな生き物にも憎しみという感情は消せないものよ!」



ヒノエさんがそう言い放つのを最後に、俺はクロエの記憶のパネルの空間へと、精神を飛ばした。