【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

「とりあえず車から降りましょう。このままじゃ大破するわよ。この車。停めて頂戴。」



「簡単に言いますけどねーっ!今からブレーキかけたってこのタクシーはアンチクロックシステムなんか搭載してないから…イデっ!」


俺の説明を最後まで聞くことなく、得意の部分狼化で俺の頭を鷲掴みするヒノエさん。



「ごちゃごちゃ言ってないで停まりなさいってば!」



「わ…分かりましたよ!シートベルトして、しっかり何かに掴まってて下さいよ!」



後々運転が粗いと文句タラタラ言われそうだが、迷う暇はない。



俺は何かの魔力のせいで固くなっているブレーキを、クラッチと共に強く踏み込んだ。