【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

そんな二人が帰路に着くと、家の奥で両親が真剣な声色で話していた。



『確かに力を持っているのはキズキだが、ゆくゆくは、ヒノエに継承させようと思っている。』



ヒノエさん達のお父さんがそう言うのが聞こえて、二人は立ち止まる。



『キズキは強すぎる。それゆえに長にはなれない。』



『なんだよ…それ!』



キズキは不満そうにそう呟くと、その場を立ち去る。



『キズキ!』



ヒノエさんはそんなキズキを追い掛けるが、スピードで敵わないキズキを見失う。



外は、木葉がふぶく嵐の夜。