佐山丙…この人は、本当に俺の上司なのだろうか。



いや、確かに、俺の記憶の中では『佐山丙』はうちの部長で、やり手の美人上司なんだけど。



この記憶、果たして正しいのか。



記憶を疑うなんてイカレてるかもしんねぇけど…うーん。



なんか、昨日までこの人の存在が無かった気がすんだよな。



周りの同期入社の奴や上司達は疑うことなく働いてるんだけど。



「…ちゃん。楓ちゃん!何なの!ぼーっとしちゃって!…昼休み、ちょっと時間ちょうだい。」



「あ…はい。」



俺、何か病気なのか?