【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

眼鏡をかけると、不思議なことに本当にすぐに立ち上がれるようになった。



「すまなかった。配慮がたりなかったようだ。」



「い…いえ。はじめまして。村瀬楓と申します。」



身体が楽になっても、彼から出る重圧に俺は、出来るだけ丁寧にしか言葉を紡げない。



「うム。人間の青年にしてはしっかりしているようだな。」



魔王は嬉しそうに言うと、大きな椅子から腰を上げた。



立って改めて、魔王の大きさを目の当たりにする。



5メートル程の全長に、螺旋を描く大きな角、真珠のような色の八重歯に穏やかだが重たいものを発する瞳。



これが……魔界を支配している男。