【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

世界が変われば、何かが変わると小さな希望を持って、藁をも縋る思いで人間界に来た。



人間は冷たく、儚く、自分しか大切じゃない、生物の中で、一番醜い生き物。



名雪さんの心の中は凍り、そして、憎しみが渦巻いた。



俺は、彼女の記憶の断片が流れ込んで来る中で、悲しくなった。



彼女をここまで憎しみでいっぱいにしたのは、俺達他人なんじゃないかって。



彼女の人生は、誰かが手を差し延べたら変わったんじゃないかって、そう思った。



そう思ったら、涙が止まらなくなって、とめどなく流れ、頬を濡らした。