【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

「あら……気がついたの?人間のくせに、生命力強いのね。」



俺一人だった空間に、もう一人、女性の声が響く。



それはヒノエさんの声ではない。



「名雪…さん。」



名雪さんが、俺を見てひんやりと笑う。それはもう、冷たく、ひんやりと。



しかし、俺の記憶にあった名雪さんとは姿が違う。



あの記憶の中で見た少女と同じなのだ。



腹部から下が蜘蛛のようになっている。



顔も、首筋から頬にかけて紫色の筋が通り、額には真っ赤な核が埋まっている。



「人間のくせに、何故そんな能力を持っているの?貴方、邪魔よ。」



黒く濁った瞳は憎悪を示す。