ハフピスライン

魔王は知っていた。ここにサイスマスがいることを、だからハーフ達を守るために。救うためにここに来たのか。
ならば、本当にハーフの救世主となるのは魔王だろう。私も守られてたし、カオスワルドのハーフ達も魔王によって守られてきた。
前以上に魔王を信じることが出来る。

しかし、余裕を見せる魔王ではあるがサイスマスに勝てるだろうか。
今も交戦してはいるが、魔力を纏えない魔王は魔力を放出して避けることしか出来ていない。反撃もほとんどない。

サイスマスの魔力には底が感じられない。いくつもの高消費の魔力を連続で放出する。
しかも確実に絶命させる一撃でなければ即座に回復、治療されている。もちろん絶命の一撃があったとしても一時的に停止するだけですぐに復活する。

不死身を語るだけあるということか。しかしそうならば一体どうやってサイスマスを殺すというのか。

「なるほど、どうやらこっちも本気を出さざる得ない訳か、この空間内では」

動きを止め、魔王は言う。
同時にサイスマスも動きを止めた。