私は姉が2人、兄が2人いて、5人兄弟の末っ子。長女は早苗。長男は太一。
次男は光繕。次女は愛歌音。そして私(幸)。

学園に早苗ちゃんは入らなかった。
家にいた頃、学園に入る話を一人知っていて夜にいなくなっていたのだ。
5人いた兄弟が4人になって すごく心細かった。
でも兄や姉が私の事を気にかけてくれるようになった。
学園に入ったことで兄弟の仲は良くなったし、深くなった。

中でも私は お兄ちゃんっ子で とにかくお兄ちゃんが大スキだった。


あまり変わることのない同じような毎日の中で
兄弟が待ち焦がれることは
お父さんが面会に来てくれることだった。

学園内で一緒に時間を過ごすだけだったけど
外で一緒にお出かけすることが出来るようになった。

初めて外で一緒に食べたものは ざるそばだった。

学園ではアレルギーの子もいる関係で ざるそばは食事で出されることはなく、
食べたことがなかったから嬉しかった。そんなことを お父さんに話すと
「じゃあ また食べよな」
優しく笑ってくれた。

外で一緒に食べるものは ざるそばが比較的多かった。
食べたいものを聞かれて
“ざるそば”と私が答えるからだ。
兄弟からはブーイングだったけど
「またかぁ~。サチは ざるそばがスキやなぁ」
そう言って笑う お父さんの顔が大スキだった。

お父さんと私たちだけの特別なものにしたかったのかもしれない・・・