甘い声で囁いて



驚いた顔をした加宮さんがあたしを見つめる。


手を頬に触れられそうになるとその手を振り払った。



これ以上、触らないで。


あたしに..



だけど加宮さんはそれを許してくれなくて。



「逃げるな、みゅう」



その声は夢と同じ。


「か、みや..さん?」


「ちゃんと見ろ、俺を。過去に逃げるな」



過去に..逃げる?


あたしが一体何から逃げているというの?



「分から..ないです、あたしは逃げてなんか」


「逃げてる。みゅう。お前はただ逃げてるだけなんだよ」