瞬間、電話越しに聞こえる、とてつもなく大きな音楽に耳の鼓膜が破れそうになった。



「……も、もしもし」


戸惑いながらも、受話器に耳をあてるあたし。


すると、聞き慣れた声があたしの耳に届いた。


「穂香? 久しぶりぃ~」


「……お、お母さん!?」


その電話主は、なんとお母さんで。


あたしは言葉を失った。


そんなあたしとは裏腹にお母さんは話を続ける。


「あのねぇ穂香、実は話したいことがあるの」


「……………」


「ハワイで旅行を楽しんでいる時、ふと宝くじを買ったのよぉ。そしたらお母さん、一等当てちゃって……」


むふふ……と不気味な笑いをこぼすお母さん。


「それでね、こっちにマイホーム買っちゃったっ!」


「……え、えぇぇ!?」


やっと声の出たあたし、に待ち受けていたのはこんな衝撃の事実。


「ってことで、しばらくはお父さんと夫婦水入らずでこっちで暮らすことにしたからぁ~」



……な、ななな、何ですとぉおおお!?