―――――― 「グラディス様、ぜひわが娘を…」 「グラディス様、私と踊っていただけませんか?」 宴が始まってからというもの、グラディスの周りは大勢の貴族や令嬢が後をたたない。 しかしグラディス本人はというと、そんな人間達は相手にもせずに黙々とワインを飲み続けていた。 「グラディスよ。もう少しまともな態度で……」 あまりの態度を見兼ねた王がグラディスに声を掛けようとしたその時――、 ガタン……。 ふいにグラディスが立ち上がった。