「俺のために開いてくれたんだろ?なら……俺が何をしようとも勝手だろ」 そう冷たく言い放つと、彼は再び付き人にワインを注がせた。 なぜこのように育ってしまったのか……王はもう一度ため息をつくとまだ騒つく広間に向かって口を開いた。 「我が息子、グラディスが失礼した。……気を取り直して、皆宴を楽しんでくれ」 王の言葉に、広間にいた人々は徐々に活気を取り戻し始めた。 会場には音楽が流れはじめ、王子グラディスの妃を選ぶ宴は始まったのだ。