「ねぇ、王子様ってどんな方なのかしら」 「きっととっても素敵な方よ。 早くお目にかかりたいわぁ」 宴が催される広間に通された女達は、みな王子が現れるのを今か今かと待ちわびていた。 その時。 広間に盛大にファンファーレが鳴り響き、国王がゆっくりとその姿を現した。 その後ろから、王妃とは別の影が現れた。 すらりとした背丈に、その金の髪が揺れる。