「マト。話は後でたっぷり聞くから、これをテーブルに運んでちょうだい」 そう言って自分の手元に差し出されたサラダの入った器。 「だって…」と不満そうな声を上げながらも、少年はその器をテーブルへと運ぶ。 そんな弟に優しい笑顔を向けた少女。 まだ幼さが残る少年とは違い、凛とした大人っぽい雰囲気を醸し出している。 その時、ふいに火にかけていた鍋が勢い良く吹き出した。 弟との話に耳を傾けていたからだろうか――。 慌てた少女は急いで火を消そうと手を伸ばした。