―――――― 「化け物?」 火にかけられた鍋がコトコトと音をたて、ふんわりと美味しそうな香りを辺りにふりまく。 テーブルの上にはまだ温かそうな湯気が立ち上るパンと、ラズベリーのジャムが置かれている。 「そうだよ!!あのお城には化け物が住んでるんだって。人間を食べちゃうんだって!!」 茶色のくりくりとした瞳をキラキラと輝かせながら、少し興奮気味に家に帰ってきた少年はその足で真っ直ぐに台所で夕飯の支度をする姉の下へと向かった。