「え!?」


図書室を出ようとしてボクは思わずデカイ声を出してしまう。


「ソウちゃん、ここ図書室だから」


指で静かにと合図をしてルウコはニコニコしている。


「あ、そうだよな、、ごめんごめん・・・。でも・・・」


ルウコの手を見た。


ルウコは図書室を出ようとした時に「ソウちゃん忘れてない?」と言って、ボクに手を差し出してきた。


「ここから手を繋ぐの?」


「そうだよ。だって、あたし正解言えたもん。『ジェラード』。」


「いや、まぁ・・・そうだけど・・・、でもさ・・・」


「でも?」


「ここからだったら誰に見られるかわかんないぞ?」


ボクの焦りにはおかまいなしでルウコは笑った。


「あたしは別に噂されてもいいもん。ソウちゃんは迷惑なの?」


「え!?オレ!?・・・オレも別に構わないけど・・・」


そんなボクの手をルウコは掴んで、優しく握った。そして、指を絡ませるように繋ぎ直す。


「あたし、憧れてたの。「恋人繋ぎ」。じゃぁ、帰ろうか」


ルウコに押され気味なペースでボク達は図書室を出た。