ウェルカムアワーズ

 自分の声が、まるでひそひそ話そうと努力してるみたいに頼りなく聞こえた。ほんとはふつうに話してるつもり。そうしたい、ほんとは。

「さえこちゃん、どうしたの?」


「逃げた。なんかきっと、思うとこでもあったんだろうけど」

「思うとこって……」


「……うん、まぁ。きっとやなんだと思うな、この部屋が

 しみじみとよーちゃんは言ったけど、私ほど嫌そうじゃなかった。こんな風に考えるのって、私って変? だけど――


 ――レコード――