学校に行って手芸部の部室にやって来た。



ビックリした顔の陽菜。



「ヒマだから入部しまぁす」

「み、宮君?なに…作る気?」

「シルバーなら作れんだ。家にあった材料持って来たから~」



仮入部ってことで一応認めてもらった。



なにも話さず、なにも言わず。



黙々とシルバーを作る。



後ろで聞こえる陽菜の声に泣きたくなった。



「うわぁ~、すごいね!!あたし作れないからなぁ…」

「先生もやってみたらできるかもよ?」

「裁縫苦手なんだもん…」



楽しそうに生徒と話してる陽菜…。



なったばかりの教師…。



やめろって言えたら楽なのに…。



ここまで来るのに大学出て…。



毎日慣れない仕事に苦戦してたんだろうな…。



ごめん、陽菜…。



「宮君はどんな感じ?」

「まぁ、普通…」

「どうしたの?急に…」

「別に?ヒマだったから。あっ、ついでに携帯壊れたから繋がんねぇから」

「えっ!?」

「よし、今日は終わり~。じゃあね、センセー」



バレたんだ、ごめん…。