【陽菜】



英希があたしの前に姿を表したのは斗和と英希が会ってから3日目が経った時…。



学校から帰ったら家の前にいた…。



懐かしい短い髪…。



黒になってる…。



「よぉ、陽菜」



変わらない声であたしを呼ぶ…。



今までどこどなにをしてたのかなんて知りたくもない。



「裏切ったのは英希だって言ったよね?あたし達はもう関係ないの」

「冷てぇな~。でも泊めてくれんだろ?」

「仕事があるから帰って」

「家ねぇのにどこに帰れって?」

「知らないよ!!」



あたしは英希の都合のいい女じゃない。



もう別れたんだから関係ない。



英希を信じたあたしがバカだっただけ。



もう関わらないで…。



「頼むよ陽菜…」

「触んないで!!」

「お前しかいねぇんだよ…。なぁ、頼む…」

「何回もそんなこと言ってたよね?適当な女に面倒見てもらいなよ」

「俺には陽菜しかいねぇんだって…」



英希と付き合ってた時、あたしがどんな思いだったか…。



あたしは英希のママじゃない…。



頼られたってなにもしてあげられない。