真っ白な髪が風にふわりと揺れた。
幼い少女のそれは、むしろ神聖な空気さえ感じさせた。
絵画のようなその美しさに目を奪われた。
だが、それも一瞬のことだった。
ちらりと覗いた少女の瞳の赤茶けた色合いが、妙に大人びて、憂いを帯びていた。
なぜか、心臓を掴まれたように、体が痛みを感じていた。
染色体の異常によって生まれるという、純白の生物。
異質な彼らは、天敵に見つかりやすく、自然界の中で生きることは難しい。
マジックに使われたあの鳩も、そんなアルビノの一種。
天使の羽のような美しさを持つその白い翼も、自由に空を飛ぶためには使われない。
