待っていた。


ひたすらに、私は待っていた。


鉛色の空を睨みつけて、それを待っていた。


天気予報は雨混じりの雪。



今日こそ、きっと……






男は、約束を守ったことがない。


いつも突然に現れて、突然に消える。


期待をしては裏切られ、諦めた頃にまた燻らせる。




ズルいやつ。



私はいつも待たされている。


ここで、こうして。






それは、三年前のことだった。


待つことに疲れた私に、男は言った。


次に雪の降る季節に、私を迎えに来る、と。



そして今度は一緒に行こう、と。





私は男の言葉を信じて、もう少しだけ待つことにした。


雪の季節を。


男の帰りを。




鉛色の空から、白い光がちらつき始めた。




天気予報は雨混じりの雪。



今日こそは、きっと…………