しかし、現実はそうもうまくは行かないものだ。
往々にしてそういうものだ。
期待するだけ無駄というものだ。
俺はグラスに入ったジンバックをくいっと飲み干した。
気がつくと、隣りに誰かが座っていた。
「飲むね~、じゅんじゅん。だいじょぶなん?」
それは1コ上の先輩だった。
「はは、懐かしいっすね。そのあだ名。」
愛想笑いで返すと、冷たい視線を送られた。
「いくら相良ちゃんにに彼氏がいたからって、そんなに拗ねることないじゃんか。」
目の前の先輩から水がしたたっている。
二人の間に一瞬の沈黙。
その間に、冷静に状況を整理する。
俺の右手には空になったグラスが握られている。
中身の行方はというと…
俺の口の中を介して、霧状に先輩の顔へ噴射された。
そして今、先輩からは水滴がしたたっている……