俺は彼女に会うためだけに足繁く部室へ通った。

文芸部の活動は小説を読んで感想を言い合ったり、テーマに添って小説を書き、それを読んで批評し合うのだが…



小説を嗜むなどとという高尚な趣味が俺にあるはずもなく。


まして書くなどとは笑止千万、ちゃんちゃらおかしい


…っていつの時代の人間なんだ、俺は。




兎にも角にも、苦痛を伴う日々だったが、彼女の笑顔だけが唯一の救いだったのだ。



3年間、彼女を思いながら通い続けた部活ながら、俺は思いを告げることもなく卒業した。





それから七年…


そろそろ文芸部の仲間たちで同窓会でも開こうと連絡があったのが半年前のこと。


やっと日程が決まったのが先月で、俺は彼女に会えるのを心待ちにしていた。



そう、まるで小説のような再会を思い描いて…