Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人 Snow Again―

「大丈夫?」
そう言われて未恋は、はっとした。


-そうだ、確かあのおやじにひどいことをされかかっていた時、誰かが私を連れて逃げてくれた-


その声の持ち主の方を振り向いた未恋は、胸がキュンとなるのを覚えた。
その人物は間違いなく、未恋が昨日出会い、そして出逢いたいと思っていたあの少年、つまり夕霧ケイだった。ケイは、未恋の左隣に、人一人分開けた状態で座り、
「あの男に、何もされなかった?大丈夫?」
と、再び尋ねてきた。
未恋は、その言葉を聞くと、急に両目に熱い物が溢れてきて、
「怖かったよぉ!」
と叫ぶと、反射的にケイの胸にしがみついた。


二人きりのバス停で、一体どのくらい時間が経っただろうか。しばらく二人は横隣で密着して座っていたが、未恋はふと、その二人の隙間が気付けば、元の一人分座る事が出来るまでに開いている事に気がついた。
「なぜ、あなたは私から離れようとするの?」
未恋は、不思議な顔をしながら、少し不思議な質問をケイに投げかけた。