私が初めて好きになった人が、偶然同性、同級生の女の子、つまり真琴だったと言うわけです。
でも私は、梅雨明け宣言の日が近づくに連れ、あのどんよりとした梅雨空が、次第に明るくはっきりとしていくに連れて、真実が見えるようになっていきました。
やはり、織り姫星の相手は、どう考えても彦星なのです。この苦しみを、バイト先の先輩に打ち明けました。…真面目に、真剣に聞いてくれました。
真琴には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。その先輩の男の子を好きになってしまいました。でも、その申し訳ない気持ちと同時に、何か、本当に正しい恋を得られた安堵感を覚えました。
…こんな身勝手な私を許して下さい。そしてあなたにも、本当に正しい恋が見つかりますように。

かしこ
平成○年○月○日
北条 美奈子

飯田真琴様