ケイの首からは、一つのとある銀色のロケットが下げられていた。ケイは、そのロケットを開き、中に入っている一枚の写真を見つめながらつぶやいた。
「…やっぱり、まだ理解出来そうにないよ。人の心の底は見えても、自分の心の底がまだ見えない。でも、君の最期に残した言葉は守って、自分のやり方で実行しているつもりだよ。だからいつの日か、君の、僕への想いを理解して見せるよ、ほのか…」
そう言って、ケイは、その場から霧の様に姿を消した。