そこまで書き終えるとほのかは、ふうっと大きく息をはいた。
…そして、来る三日後までの期間、ほのかは、サイトの利用者とは別に、ある人物に対して、手書きで手紙を作成し、何度も吟味して仕上げる事に没頭した。



三日後の早朝、ロマンス・カッターで左手首を深々と切った左手首を浴槽に浸し、出血多量で息を引き取っているほのかが発見された。
生まれて初めて見せたであろう、柔らかな笑顔と共に…


この事は、毎日のごとくテレビのワイドショーで、名前を伏せた状態で放送された。
それを期に、ほのかと言う「教祖」を失った全国の「信者」達による、ほのかの行為をまねる、当時、悲劇的大事件であった、「連続少女自殺未遂事件」が多発した。


…ちなみに、この頃すでにケイは、あんなに愛したほのかの死に対しても、涙一つ流すことはないぐらいに、感情が欠落してしまっていた。