当麻くんにバイクで送ってもらって、家の前で降ろしてもらう。


「バイクに乗ってる間ずっと気になってたんだけど……熱上がってない?

身体が熱かったよ」


顔も赤いし、目が潤んでる。


「ん、大丈夫だぜ? ちょっと最近調子悪くてな。

……早めに帰るな。さやに風邪うつしたくねーし」


当麻くんはそう言うけど、なんだか不安だよ。


「ねぇ、ちょっとだけあがっていって」


「いや……わりぃし」


「こんな時ぐらい頼ってよ……」


きっと家に帰っても、誰もいないウチで、


ご飯も食べず、温かくせずにその辺のソファで寝ちゃうんだ。


そんなの、もっと風邪こじらせるよ?


「そうか……。じゃあ、ちょっとあがってこーかな。

大丈夫か? 病人あげて、母さんイヤがんねぇ?」


「ううん、当麻くんなら大歓迎だよ」


「マジか?」


こういうのに慣れてないのか、当麻くんはなんだかハズかしそう。