そしたら、簡単に引っかかった。


「おぉっ、いいぜ。……ちょっと待ってな。今、紐解くからな」


そう言って、私の手と足の紐を解いてくれる。


……フウッ。やっと、手足が自由になった。


茶髪男はいやらしい笑みを浮かべ、私に近付いてくる。


スキあり、油断だらけのエロ男。


そんなヤツに、渾身の力をこめ……


久々の必殺技を、茶髪男にお見舞した!!


私、お得意! 


お兄ちゃん直伝の……


『困った時は、股間を狙え!!』の、“膝ゲリ”


見事的中!


茶髪男は、勢いよく私の横に崩れ落ちた。


「……くぅっ……てっテメー!!」


起きあがれないでいるウチに、香純さんの手足の紐をとく。


「香純さん……早く、逃げよう!」


私が香純さんの手を引っ張って部屋を出ようとすると、


香純さんは


「フフフ……」と奇妙な笑いをもらしていた。