「旅行?」 「忘れたの? 鍵屋のおじさんに旅館のペアチケット貰ったじゃん」 …そういえば貰った…… 「だから早く荷物詰めて?」 「行かない。行きたくない」 「奈々佳ちゃんさぁ…いい加減学習してよ」 ポチは腕を組んで私を見下ろした。 「何を…?」 「俺に弱み握られてること」 まだ先生との写真で脅す気なんだ? 「………ホント最低」 「最低でもいいよ!早く荷物詰めてね♪」 って可愛らしい笑顔を向ける。 天使の顔を持つ悪魔だ…。