冷たいシャワーを浴びる。


 疲れはこれだけでも吹き飛ぶのだ。


 俺は汗や脂を洗い落とし、水風呂から上がって、リビングへと歩き出す。


 さすがに1Kのマンションは狭い。


 俺は窮屈さを感じ取りながらも、いつも夜過ごす部屋で寛ぎ始めた。


 テレビを付けると、この季節特有の心霊番組などがオンエアーされていて、俺はそういった番組に思わず見入る。


 テレビもさすがに二時間ぐらい見れば、目が疲れてしまう。


 俺は三十代に入ってから妙に疲れを感じるようになった。


 やはり加齢しているからだろう。


 少しのことで疲労が溜まるようになっていた。


 その夜、俺は午後十時過ぎ頃、里夏のケータイに掛けてみた。


 おそらくまだ今の時間帯だったら出るだろうなと思って。