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「折田」


「はい」


「三番に電話」


「今取ります」


 俺は苗字で呼ばれて、ちょっと躊躇(ためら)っていた。


 どうやら電話の主はいったん社の代表番号に掛けてきて、受付嬢に頼んでから、内線に繋いでもらったらしい。


「はい、折田ですが」


 ――ああ。霊媒師の小津原織枝でございます。


「職場にまで掛けてこないでくださいよ」


 ――実はですね、あなたが今住んでおられる部屋のある土地には怨霊が宿ってまして。


「怨霊?……一体どんな?」


 ――戦国時代にあの地で戦がありまして、勝った方の大名が負けた方の家来たちを処刑