俺は灼熱のビーチの上で、しばらく黙り込んでいた。
 

 中空にあるギラギラとした太陽を見つめながら……。


 さっきまでの雨空はなく、すっかり晴れ渡っている。


 俺も里夏も夏の時間を楽しんだ。


 俺の覚えた恐怖感も一時的なものだったのだし、ビーチの上では他のカップルも遊びに来ていて賑やかだ。


 不意に立ち上がり、俺は近くの自販機に冷たいアイソトニックウオーターを買いに行った。


 喉越しがいいものを飲みたいのが本音なのだから……。


 何せ、この暑さなのだし……。