汗を洗い流す。


 ちょうど五月で暑さが身に沁み始める頃だ。


 俺は風呂に入り、髪や顔、体を洗ってしまってから着替えを済ませ、出社した。


 朝なのでバタバタしていたが、俺は慌てずに近くの駅から所定の電車へと乗り込む。


 昨夜の疲労が残っていたのは事実だ。


 だが、俺自身、一日ぐらい疲れを溜めたままでも平気だった。


 確かに夏場だと、そういったことも不健康になりがちだが……。


 会社に行くと、里夏も出勤してきていて、一階のメインフロアで顔を合わせる。


「おはよう」


「ああ、おはよう」


 俺たちは相互に挨拶し、各々の持ち場へと付く。


 俺はその足ですぐに企画部のフロアへと入っていった。


「おはようございます」