死霊むせび泣く声

 そして俺はステーキにセットとして付いていたライスやサラダなども完食し、食後にデザートとコーヒーまでご馳走になった。


「俺がお前らぐらいだった頃はもっと食ってたぞ」


 年齢にして六十代後半ぐらいの松岡は昔、同様の振る舞いを先代社長から受けたらしい。


 俺も高村も磯野も先代のことは知らない。


 会社を興した人間だとは訊いていたのだが、詳しいことまでは分からなかった。


 俺はその夜、食事を取り終えてから、軽くアルコールが入った後、電車で自宅へと帰っていった。


 部屋の出入り口にあるキーホールにキーを入れて開錠したのまでは覚えている。


 ただ、そこから先は全く記憶にない。


 ベッドの上に倒れ込んで、寝入ってしまったようだ。


 歯も磨かず、顔も洗わず、風呂も入らずに。


 そして朝になってから気付いた。


 目が覚めると昨日と同じワイシャツを着ていたので、俺は急いで入浴して、掻いていた