俺自身、ワープロのキーを叩きながら、企画書を作り続ける。


 里夏は秘書課にいて、広報の仕事をしていた。


 社長の松岡は俺や同僚社員たちに、食事を振舞ってくれることがある。


 実際、つい最近、俺は食事に連れていってもらった。


 松岡と俺、それに同じ企画部の高村と磯野の四人で食事しに行ったのだ。


「君たちはステーキでも食えよ。俺はこの豚カツのセットにするからさ」


 松岡は普段から美味しいものばかり食べているようで、俺たち平の社員にステーキのセットをご馳走してくれた。


「いいんですか?」


 高村がそう問うと、松岡が、


「俺はね、ケチじゃないんだ。金なんて余るぐらい持ってる。飯ぐらい美味い方がいいだろ?」


 と問い返してきた。


「まあ、それはそうなんですけど……」