死霊むせび泣く声

 黄泉(よみ)の国とは存在するのだろうか……?


 それに人間は死んだら一体どこに行くのか……?


 俺はそんなことばかりを考えながら、死というものに遭遇(そうぐう)する羽目になる。


 霊の刀は俺の頚動脈(けいどうみゃく)を切っていたようで、即死じゃなかったにしても、死んだのは事実だ。


 不意に体が浮くような感覚を覚えた。


 里夏の発する「和義、しっかりして……和義」という言葉が遠くに聞こえているのが薄っすらと分かるような感じで。


 そして俺はこの世から消えた。


 これもまたあの曰く付きマンションの語り草となるだろう。


 青年サラリーマンが死霊の今村と綾田によって殺傷されたという。


 都市伝説は作り出されていく。


 年月を追って新しく。


 俺の人生もそんな都市伝説の一環となって残るに違いない。