俺たちが事実上前線部隊として、社を動かしているのだ。


 確かに会社でも企画部というと、ワープロばかり弄っている人間ばかりなので、皆ストレスが溜まる。


 俺もさすがに夏場の疲れがドッと出ていた。


 お盆を過ぎてからいくらか涼しくはなったものの、残暑は厳しい。


 それに早くも秋の花粉が飛び始めていた。


 俺はアレルギー体質なので、抗アレルギー剤を飲んでいる。


 春と秋は花粉症に悩まされるのだ。


 俺はキーを叩きながら、時折椅子から立ち上がって、コーヒーを淹れに給湯室へと入っていく。


 企画部の人間たちは同僚の高村や礒野を除いて、ろくなヤツがいない。


 相変わらず辛島は仕事をしないし、副部長を務める石川なども俺たちが出す企画書を一通り見て、上に出す旨伝えると、また新聞を読み始める。


 俺も高村も磯野も毎日キーを叩きながら、退屈していた。