俺はそういった病院などには掛かったことがないが、掛かるとしたら、予めネットなどで調べてから行くことにしている。
 

 普段キーを叩く際は何も考えずにいたのだが、いざ仕事と並行してそういった感情が浮かんでくると、俺は怯(ひる)んでしまう。


 時々トイレ休憩に立ちながら、俺はパソコンでずっと企画書を打ち続けた。


 棚岡徹也怪死事件を思うと、俺はさすがに霊の力の恐ろしさを感じ取る。


 日本刀が突き刺さった死体などが、築十五年のマンションに遺棄してあったこと自体が、俺を恐怖のどん底へと落とし込んだ。


 霊媒師の小津原の除霊は、正直なところあまり効かなかったらしい。


 俺は怯える気持ちを押さえ込みながら、仕事し続けた。


 部長の辛島は相変わらず週刊誌に付いているグラビアアイドルの袋とじ写真を見続けいているらしい。


 この手の人間が一番悪いのだ。


 俺が考えている以上に、こういった怠け者の管理職はたくさんいるようで、辟易しているのが実態だった。